スティーヴン・キング原作のドラマ「ザ・ミスト」、Netflixで観て「これはどういうこと?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
突然発生した白い霧の中に潜む「何か」におびえ、ショッピングモールに立てこもる人々の恐怖を描いたこの作品。映画版との違いや、衝撃的な打ち切りの理由、そして霧の正体についての考察など、気になる点がたくさんありますよね。
この記事では、「ザ・ミスト」のNetflix配信に関する情報から、キャストの詳細、なぜ「ひどい」という評価があるのかまで、皆さんの疑問にじっくりお答えしていきます。
- ドラマ「ザ・ミスト」はシーズン1で打ち切りが決定
- 打ち切りの主な理由は視聴率の低迷
- 映画版『ミスト』とは設定や登場人物が異なる
- ドラマ版ならではの魅力と賛否両論のポイントを解説
ドラマ「ザ・ミスト」Netflix配信の気になる疑問
- 配信は打ち切り?シーズン2の可能性は
- 打ち切りになった衝撃の理由とは
- 「ザ・ミスト」は全何話?
- 映画版『ミスト』はどこで見られる?
配信は打ち切り?シーズン2の可能性は

「ザ・ミスト」をシーズン1の最後まで観て、「この続きはどうなるの?」と気になった方は多いかもしれませんね。結論から言うと、残念ながらドラマ『ザ・ミスト』はシーズン1で終了、つまり打ち切りとなっています。
シーズン1の最終話は、いかにもシーズン2へ続きそうな展開で終わるため、多くの視聴者が続編を期待しました。物語の中で提示された「アローヘッド計画」といった謎も、ほとんど解き明かされないままでしたからね。
しかし、米国の放送局Spike(後のParamount Network)は、シーズン2を制作しないことを決定しました。この決定は2017年9月末には報じられており、日本ではNetflixで配信が始まった直後くらいのことでした。
Spikeの社長は、シーズン1の評価が良ければ放送局がParamount Networkへと名称変更した後も継続する可能性を示唆していましたが、その願いは叶いませんでした。
スティーヴン・キング原作ということで大きな期待が寄せられていましたが、結果として物語は未完のまま幕を閉じることになったのです。この打ち切りの決断については、「しょうがない」と納得する声もある一方で、物語の消費のされ方にもったいなさを感じるファンもいるようです。
打ち切りになった衝撃の理由とは

なぜ、スティーヴン・キングというビッグネームを冠したドラマが、シーズン1で打ち切りになってしまったのでしょうか。その主な理由は、視聴率が振るわなかったことにあります。
アメリカでの放送当時、ニールセンの調査によると、初回の視聴者数は120万人とまずまずのスタートを切りました。しかし、その後は録画視聴を含めても視聴者数が約80万人程度に落ち込んでしまったのです。特に、広告収入に重要とされる18歳~49歳層の視聴率では、ケーブル放送のドラマの中でトップ30に食い込むことすらできなかったようです。
また、放送局側の事情も関係しています。当時、放送局の「Spike」は親会社の企業改革の一環で、2018年1月に「Paramount Network」へとブランドをリニューアルする計画がありました。『ザ・ミスト』は、このリニューアル計画以前の編成戦略で作られた作品であり、新しいネットワークのブランドイメージとは合わなかった可能性も考えられます。
このように、期待されたほどの視聴率を獲得できなかったことと、放送局のブランド再編というタイミングが重なり、シーズン2への更新は厳しいと判断されたようです。海外ドラマの世界はシビアで、スティーヴン・キング原作といえども容赦はなかったということですね。
「ザ・ミスト」は全何話?

ドラマ『ザ・ミスト』は、シーズン1のみで、全10話構成となっています。
このドラマは、原作小説と2007年の映画版の両方をベースにしながらも、独自のストーリーが展開される「リイマジニング(新たな想像)」作品として制作されました。企画段階では、まずパイロット版(第1話)を制作し、その評価を見てからシリーズ化を決定するのが一般的ですが、『ザ・ミスト』は製作陣のプレゼンと脚本の内容が高く評価され、パイロット版の制作をスキップして、いきなり全10話のシリーズ制作が決定したという経緯があります。
物語は、スティーヴン・キングの原作小説「霧」を基に、田舎町を突如襲った濃い霧と、その中に潜む何かから逃れるため、ショッピングモールなどに立てこもった人々の混乱と恐怖を描いています。ドラマならではの長い尺を使い、登場人物たちの複雑な人間関係や、極限状態に追い込まれた人間の本性がじっくりと描かれる構成になっています。
アメリカでは2017年6月22日から8月24日にかけて放送され、日本ではNetflixオリジナル作品として配信されています。1話あたり約40~50分程度なので、週末などに一気に観ることも可能ですね。
映画版『ミスト』はどこで見られる?

ドラマ版を観て、「あの衝撃的なラストで有名な映画版も観てみたい!」と思った方もいらっしゃるでしょう。フランク・ダラボン監督による2007年の映画『ミスト』は、多くの映画ファンに「最高の鬱映画」として語り継がれている名作です。
2025年9月時点の情報によると、映画『ミスト』はU-NEXTで見放題配信されています。U-NEXTには31日間の無料トライアル期間があるので、これを利用すれば実質無料で視聴することが可能です。
また、TSUTAYA DISCASの宅配レンタルサービスでも取り扱いがあります。こちらも無料トライアル期間が設けられており、自宅にDVDを届けてもらうことができます。
その他、FODプレミアムではレンタル配信が行われています。残念ながらNetflixでは現在、映画版の配信は予定されていないようです。
配信状況は変更される可能性があるため、視聴前には各サービスの公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。ドラマ版と映画版、両方を観比べてみるのも面白いかもしれませんね。映画版は、そのあまりにも救いのない結末で知られており、ドラマ版とはまた違った恐怖と絶望を味わうことができますよ。
ドラマ「ザ・ミスト」Netflix版の魅力と評価
- 映画『ミスト』とドラマ『ザ・ミスト』の違い
- ドラマ版のキャスト陣をチェック!
- なぜ「ひどい」という評価があるのか?
- 霧と怪物の正体についてのネタバレ考察
映画『ミスト』とドラマ『ザ・ミスト』の違い

ドラマ版『ザ・ミスト』は、スティーヴン・キングの中編小説『霧』を原作としている点で、2007年の映画版『ミスト』と共通しています。しかし、両者は似ているようで全く異なるアプローチで作られた作品です。
まず大きな違いは舞台設定です。映画版では、物語のほとんどがスーパーマーケットという閉鎖空間で展開されます。一方、ドラマ版は舞台をより大きなショッピングモールに移し、さらに教会など町の中の複数の場所で物語が同時に進行します。これにより、より多くの登場人物と彼らの複雑な人間関係を描くことが可能になりました。
登場人物やストーリーも大きく異なります。ドラマ版は原作や映画版をベースにしながらも、独自のストーリーと新たなキャラクターたちが登場します。例えば、映画版で強烈な印象を残した狂信的な宗教家ミセス・カーモディ。ドラマ版にも彼女を彷彿とさせるキャラクター、ナタリーが登場しますが、そのキャラクター性は異なり、教会に通う老女という設定ではないようです。
ドラマの制作者は、本作を単なるリメイクではなく「リイマジニング(新たな想像)」であり、原作や映画とは「奇妙ないとこ」のような関係だと表現しています。映画版が原作の世界観を2時間の尺に凝縮した作品だとすれば、ドラマ版は小説の持つ要素を拡張し、新たな解釈で物語を再構築しようとした作品と言えるでしょう。
ドラマ版のキャスト陣をチェック!

ドラマ『ザ・ミスト』には、海外ドラマファンにはおなじみの実力派俳優たちが集結しています。
物語の中心となるコープランド家の父親、ケビン・コープランド役を演じるのはモーガン・スペクターです。彼は『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』など数々のドラマで活躍しており、本作では家族を守ろうと奔走する父親を力強く演じています。
その妻で、娘を守るために戦うイブ・コープランド役にはアリッサ・サザーランドがキャスティングされました。彼女は人気ドラマ『ヴァイキング 〜海の覇者たち〜』や、映画『プラダを着た悪魔』への出演でも知られています。
そして、物語の鍵を握る人物の一人、現代的なエコロジカルな思想を持つ殉教者ナタリー・レイブン役を演じるのは、ベテラン女優のフランセス・コンロイです。彼女は『アメリカン・ホラー・ストーリー』や『シックス・フィート・アンダー』などでの怪演で高い評価を得ている名優ですね。
その他にも、コープランド家の娘アレックス役にガス・バーニー、記憶喪失の軍人ブライアン・ハント役にオキジ・モロ、薬物依存の問題を抱えるミア・ランバート役にダニカ・クルチッチ など、個性豊かな俳優たちが脇を固めています。
なぜ「ひどい」という評価があるのか?
『ザ・ミスト』について検索すると、「ひどい」や「つまらない」といった厳しい評価を目にすることがあります。スティーヴン・キング原作、そしてあの名作映画のドラマ化ということで期待値が高かった分、その反動も大きかったのかもしれません。
批判的な意見としてよく挙げられるのが、「キャラクターに魅力がない」という点です。映画版には、観客の感情を激しく揺さぶるミセス・カーモディのような強烈なキャラクターがいました。彼女が撃たれるシーンでは、本国の映画館で拍手が起こったという逸話があるほどです。しかし、ドラマ版ではそうした良くも悪くも記憶に残るキャラクターが乏しい、という声があります。
また、「恐怖感が薄い」という点も指摘されています。映画版のクリーチャーたちは得体のしれない不気味さがありましたが、ドラマ版のモンスターは小綺麗になっていて気持ち悪さが減っている、と感じる人もいるようです。さらに、物語の舞台であるショッピングモールが広すぎることが、かえって緊迫感を削いでしまっているという意見もあります。
そして何より、物語の謎がほとんど明かされないまま終わってしまうことも、低評価につながっている一因でしょう。映画版では描かれなかった霧の正体や「アローヘッド計画」について掘り下げられることを期待した視聴者にとっては、肩透かしを食らったような形になってしまいました。独立した一つのドラマとして見ても、物語の引きが弱く、手放しで面白いとは言いがたい、というのが一部の視聴者の正直な感想のようです。
霧と怪物の正体についてのネタバレ考察

ドラマ『ザ・ミスト』は物語の核心に触れる前に打ち切りとなってしまったため、霧や怪物の正体は謎に包まれたままです。しかし、作中の描写からいくつかの推測ができます。
まず、霧や怪物の発生には、軍が秘密裏に進めていた「アローヘッド計画」が深く関わっていると考えられます。これは映画版や原作にも登場するキーワードで、異次元の世界を観測しようとした実験が失敗し、異次元への扉が開いてしまったのではないか、というのが最も有力な説です。激しい嵐が、その実験の失敗の引き金になった可能性もありますね。
霧の正体については、単なる気象現象ではなく、異次元の環境そのものがこちらの世界に漏れ出してきたもの、あるいは怪物が活動するために自ら発生させているものかもしれません。ドラマ版では、霧がまるで意志を持っているかのように人々を襲う描写もありました。
登場する怪物たちも、昆虫のようなものから人型のものまで様々です。これらはすべて、アローヘッド計画によって開かれたゲートからやってきた異次元の生物なのでしょう。
結局のところ、これらはすべて推測の域を出ません。もしシーズン2が制作されていれば、これらの謎が解き明かされ、物語は全く違う評価を受けていた可能性もあります。謎が謎のまま終わってしまったのは、非常に残念な点と言えるでしょう。
総括:ドラマ「ザ・ミスト」Netflix配信の全貌と打ち切りの真相
この記事のまとめです。
- ドラマ「ザ・ミスト」はスティーヴン・キングの中編小説「霧」が原作である
- Netflixで配信されているが、元は米国のテレビ局「Spike」が製作した
- ドラマはシーズン1、全10話で打ち切りが決定している
- 打ち切りの主な原因は視聴率の低迷である
- 初回放送から視聴者数が大きく減少し、主要な視聴者層を獲得できなかった
- 放送局のブランド再編というタイミングも打ち切りの一因となった
- 物語は多くの謎を残したまま未完の状態で終了している
- 2007年に公開されたフランク・ダラボン監督の映画版『ミスト』とは異なる作品である
- ドラマ版は映画版を拡張した「リイマジニング」作品と位置づけられている
- 舞台がスーパーマーケットからショッピングモールや教会など複数に拡大されている
- 登場人物やストーリーもドラマ独自のものが展開される
- キャストにはモーガン・スペクターやアリッサ・サザーランドなど実力派が揃う
- 一部の視聴者からは「ひどい」「つまらない」といった厳しい評価もある
- 低評価の理由として、キャラクターの魅力不足や恐怖感の薄さが挙げられる
- 霧や怪物の正体は「アローヘッド計画」という軍の実験が関係していると示唆されている